2020年5月3日
学生時代からレイモンド・チャンドラーを何回も読んでいる。ニューヨークでもクアラルンプールでもジャカルタでもイスラマバードでも、いろんな本屋でチャンドラーを買った。チャンドラーは1959年に死んだので、村上春樹はチャンドラーの生まれ変わりではない。けれど村上春樹は我が輩にとって、チャンドラーが京都で生まれて西宮あたりで育ち、日本語でちょっと不思議な小説を書いてくれているという存在だ。だから村上春樹がチャンドラーを訳したとき、いままでの大家巨匠のチャンドラー訳がかなりずさんだったのもあって、おさまるところにおさまったという感覚だった。
TVピープルはちょっと不思議どころではなくて、かなり不思議というかヘンな作品集だ。同じような背景とか同じようなネタが短編にも長編にも出てくるという点でも、村上春樹はやっぱりレイモンド・チャンドラーなのだ。
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