2020年8月13日
前半に出てくるのは、董事長やら総経理やら代表やらというエラい人たちがおもなので、あんまりおもしろくない。北京の胡同在住の翻訳家・多田麻美さんの文章はとてもよかったけど、反日デモのときどうだったのかという括りなので前のほうに出たのだろう。真ん中へんのビジネス関係のはいよいよ、まったく面白くない。
後半にはいって、ミュージシャンや俳優やアーチストなど登場し、俄然おもしろくなる。そりゃそうだ。周りの人たちとおんなじ地面に座っておんなじ風景を見ているのだから。
特に印象に残ったのが、中国から撤退しようとしている建築家の松原弘典さん。
「私はみなさんにこう聞いてみたい。『本当に中国でビジネスして今でも楽しめてますか?』と。私の自問はもやはノーで、これは一時的というよりは、徐々にこうした傾向、すなわち中国が世界的な均質化の波にのまれていく流れは進行すると思う」
「私はやはり中国の、ヘンなところ、日本と違うところに惹かれ続けてきたのだけれど、それがだいぶ減って冷めちゃったのだろう。」
こないだ大阪の鶴浜のイケアにいたとき、自分が新三郷にいるのか、それともクアラルンプールにいるのかわからなくなった。ラクサ喰いたい。カップヌードルはシンガポールラクサ味をもう出さないのか?
松本のイーオンにいると、バンコクなのかジャカルタなのかわからなくなる。いやいや、バンコクのコスメ売り場はきれいなオカマちゃんにコロンを噴霧されるぞ。バンコクに丸亀はあるかもしれないけれど、小木曽製粉はないはずだ。
日本各地の気温が熱帯以上に上昇する昨今である。気候変動こそグローバルなのだな。
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