2020年9月15日
金沢の文学堂で購入。夫君のオーウェンとの新婚旅行で、1920年ごろ北京〜新彊〜トルキスタン〜ラダックまで旅した記録。
オーウェン・ラティモア教授は1900年生まれ、エレノアさんは5歳上の1895年生まれ。この時代のアメリカには開かれた人がいたんだなあと思う。
ガイドや荷運人など道中世話になるいろんな人々について信頼できる人物かどうか見極めようとしつつ、それでも騙されていたことを後になって知ったり、しかしそんなインタラクションを体験できることを楽しみ、それ以上に自然のつくりだす素晴らしい風景に感動している。
「私はこの旅でこんなに汚いみずぼらしい不愉快な目に遭いながら、けっこうそれを楽しんでいるという奇妙な気分を味わってきました。あまりものすごいのでかえって滑稽なのです。それはそれなりに、愉快この上なしなのです。こんなひどい所でもこんなに楽しく過ごせるんだと思うと、それが好きなんです。なぜ愉快なのかというと、ここでは万事がありのままで人間らしいからなんです。」
ロシア革命から間もない時期、中国も内戦状態に入りつつあるという混迷した情勢のなかで、オーウェン氏は隊商にくっついてモンゴル経由で、エリノアさんはハルピンから「より安全な」シベリア鉄道でそれぞれ新疆に向かい、チュグチャクという街でランデヴーし、そこからインダス河畔のラダックに出るという新婚旅行である。
ゆえにタイトルが「トルキスタンの再会」なのである。
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