2020年9月22日
神戸は1995年の阪神大震災で大きな被害を受けたので、あとがき代わりの「K氏との対談」では「もう20年以上経ちますが、いっとかなあかんかった店はリアルに覚えてます。悔しいですね。」とある。この本は通途のグルメガイドなどではなく、店と料理を通じて神戸(とその周辺)のコミュニティー像が語られている。
筆者と我輩は同年代で、おまけに通った大学も近所。だから半分がたの店の名前は知っているし、なかには二宮の泰南(二文字とも草かんむりつき)みたいにしょっちゅう行った店もある。神戸でずっと仕事をしてきた筆者による描写は、学校を出てからほとんど神戸に帰らなかった我輩にとって、その後どうなったのかを教えてくれると同時に、青春時代を回顧させてくれる貴重な物語だ。
六甲道に贅六(ぜえろく)という飲み屋があった。なんでか知らんが神戸外大の野球部が代々アルバイトをすることになっていて、中国研究会のコンパもたいていそこでやっていた。震災のあとに訪ねたらサラ地になっていた。震災でそうなったのか、あるいは大将とこが男所帯でいろいろ大変だったのでそうなったのか・・・呆然と佇んだことを思い出した。
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