2021年1月25日
杉山正明といえば鼻息のあらいおっちゃんという印象だったのが、この本を読んで漢籍とペルシア語とその他あれこれの言語を解読する碩学だと知った。この本(1997年)を読んだらおっちゃんのめざしている方向がほぼわかった気になれる。
個人的に面白いとおもったのは、遊牧民とロシアの戦い方に共通点を見出していること。すなわち戦うふりをしつつ退却しつつ、自分のフィールドに敵を引き込んで敵の補給線が延びきったところで叩く(ロシアのばあい冬が来て敵が自滅)というところ、それと黄巣や朱全忠を産んだ中国の塩の専売課税制度が元代になってラディカライズされ、のちの秘密結社=中華マフィアになったというところ。そして世界を植民地化した西欧はその特色としてなによりも軍事国家であるであるというところ。
おもしろくて知的興奮を誘う読書だった。
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