2020年9月30日
このおっちゃんの本を読むと、元気がでるし、いろいろと刺激を受ける。極端な物言いがおもしろい。たとえば「アケメネス朝のダリウス1世」というユーロセントリックな呼びかたじゃなくて「ハカーマニシュ帝国のダーラーヤワウ1世」にしましょうや、なんてね。おっちゃんは西欧派に喧嘩を売りつつ、日本の若い人たちに発破をかけている。
アヘン戦争をきっかけに欧州列強が清国を虫食い状態にしていたころ、じつは中国じしんがモンゴルに対して植民地政策をすすめていた。漢人入植者に食いものにされていたモンゴル人に「そんなことじゃいかんだろう?日本と手を組んで中国をやっつけようぜ」とアプローチしたのが日本。日本は満州を足がかりに中国を食い荒らそうとしていた。そのころにつくられた西北研究所とか、満蒙文化研究所とか、蒙古善隣協会とか、興亜義塾みたいなのも含め官民にわたるいろんな団体で、モンゴルのことを真剣に考える若い人たちが育った。それがのちの京都学派を形成する。その流れに杉山さんがいて、楊海英さんみたいな若手を輩出している。日本帝国のスケベー心から生みおとされた後裔が、モンゴル研究で日本を世界一にしたのだ。
こんなことを考えた。
こんど人間に生まれるとき、やっぱり日本人がいいな。漢字文化圏だけど中国じゃないから。そして若いうちにペルシア語とトルコ語とアラビア語を勉強して、ついでに中国語とかロシア語とかモンゴル語も学べる、そんな外大になってたらいいな。そいでアフガンからマシュハド、ヤズド、エスファハン、テヘランからナジャフ、カルバラ、バグダッド、そしてダマスカス、イスタンブールのあたりで何年か働いたり暮らしたりしたいものだ。そしてたまにチュニスに足をのばしてワインを飲むんだ。
1979年にソ連がアフガン侵攻したのがなぜなのかわからなかったけれど、この本を読んで、その1年前のイラン革命がアフガンを通ってカザフ、キルギス、ウズベク、タジク、トルクメニスタンに波及するのをモスクワが恐れたからと知った。
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