2021年4月4日日曜日

Has China Won? Will There Be War?  Kishore Mahbubani

 2020年11月11日

ポッドキャストにマブバーニさんが出ていた。おだやかな話しかたでまっとうなことを言っているので、彼の本を読むにした。

https://feeds.captivate.fm/dumbrill/

キショア・マブバーニさんはインド系シンガポール人で、国連大使とか政府高官を務めた人。シンガポール建国の父といわれる李光耀とかから直接学んだという。そのひとつが、シンガポールみたいな小国が生き残るために必須だったこととして、「希望的観測ではなくて事実をありのままに観察すること」だという。

「アメリカは自由の国といいながらそれと同じくらい大切な平等がないがしろにされ、金持ちが寡頭支配する社会的流動性のない硬直した国になった。中国は共産党一党支配の国だけれど、メリトクラシーにより有能な官僚がコントロールする社会的流動性の高い国になった。」

「アメリカの政治は各州に巧妙に配置された軍需工場が生む雇用のせいで州選出議員の誰も戦争に反対できなくなっており、シンクタンクの研究者も勇ましいことを言えば言うほど軍需産業に栄転できる道が開ける。軍隊の1/30の予算しかない外務省は無力化され、大使の6割はメジャードナーか大統領のお友達が任命される。」

「911で3000人が死んだアメリカは報復のためイラクとアフガンで戦争を起こした。オバマ政権最後の1年間だけで7カ国に6000発の爆弾を落とし、被害者の大多数は民間人だった。もし中国が民主主義の国になって、アヘン戦争の報復をはじめたらどうなるのか。それを考えると、習近平がいかに冷静な政治家かを理解できる。」

これぞアドバイザーの鏡という話の運びかた。メインストリームメディアの報道や支配的な見方と反対のことを述べるときは、かならずデータを提示する。すばらしい。

アマゾンで何千円もする本だった。オーディブルの1ヶ月体験だと音声本を1冊もらえるというので、それで合法的にタダで入手した。ただしオーディブルはiOSのバージョン13以上じゃないとインストールできない.

読み手はアーロン・アバノさん。聴きやすい英語だけれど、中国の人名とか地名の拼音をアメリカ英語読みしているので、知っていないとわけがわからなくなる。たとえば習近平を「じーじんぴん」と読んでいる。漢字の拼音を知らない人は紙か電子本で読んだほうがいいかもしれない。

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