2021年4月4日日曜日

スパイのためのハンドブック ウォルフガング・ロッツ ハヤカワ・ノンフィクション文庫

 2020年10月17日

さいきんのブッコフでは、ブッコフオンラインで見つけた古書を、送料無料で最寄のブッコフ店に届けてくれる。塩尻でみかけた本を、タイトルもうろ覚えだったのだけれど、オンラインでそれらしいのを見つけた。茅野の店で受け取ったら違う本だった。それがこれ。

オンラインだと大きさとか分厚さがわからないし、ブッコフでは内容と価格にまったく関連性がない。そこが困りもの。

著者はモサドに多大な貢献をした元スパイ。内容はリクルート、訓練、監獄暮らし、退職後までのガイドブック。

スパイの暮らしをわかりやすく、たとえばスパイの階級と適性なんて書いてある。

下級は密告屋とか監視係。上級は大使館で秘書が集めた新聞記事を見たり、いろんな人に会って得た情報をレポートにする、佐藤優(過去形)みたいな人。中級がおそらく著者みたいに、偽装して仮想敵地で暮らす人。2重スパイがあちこちにいることを考えると、みな愛国心とか正義感とか忠誠心で働いているのではなくて、結局そういう仕事というだけで、問題はおカネなのだろうな。

著者はドイツ語で育ったユダヤ人。英語からの翻訳なのだろうけれど、訳文も硬め。面白いといえば面白いけれど、べつに読まなくてもよかった。


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