2020年4月24日
「黄金座を出ると夕方になっていた。人影のなかった町も商店には灯りがともり、子供の手をひき買い物かごをもった母親がゆく。八百屋はネギを新聞紙で丸めて渡し、代金をぶら下げたザルに放り、肉屋からはコロッケを揚げる匂いが、茶舗からは茶を焙じる香ばしい香りが漂ってくる。懐かしい商店街の懐かしい眺めだ。」
下諏訪は通勤途上で、鍋をもって豆腐を買いにいく主婦とすれ違うような町だ。町の人々は平成でも令和でもなく、「いつの御柱祭だったか」を時間軸に暮らしている。だから居酒屋吟月の物語を読んでいて、無意識に下諏訪をモデルに考えつつ、少しづつ読み進めている。
こないだ小林せつこさんと会ったとき、せつこさんの横浜の実家が映画館だという話になった。この本の話をするとせつこさんはさっそく「読みたい!」とのことで、本をもって帰宅した。こんど会ったら感想を聞いてみよう。
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