今年で戦後78年。戦後50年ということは28年前。
この本を落札したことを朝食の席で内儀にいうと、
「私も読みたい。」
到着したとたん、おかんが
「読みたい。私の年代や。」
94歳である。しょうがない。我輩が読む前に手渡した。
千葉県柏市に住んでいた頃、お向かいに清水さん宅があった。そこにはハゲの爺さんがいた。爺さんが笑うときは「たー。たー。たー。」と聞こえた。ずいぶんユニークな爺さんと思っていた。あるとき一緒に酒を飲む機会があって、戦時中は憲兵だったと言ってた。そして、満州娘のことになると「ぐひ。ぐひ。ぐひ。」と卑猥な顔で笑った。こいつはリアル鬼畜だなと思った。
青春時代に中国語を学んだので、白毛女のストーリーは知っていた。この爺はリアル白毛女の世界で日本鬼子の憲兵だったかもしれない。
普通の父親が鬼になるのが戦争なんだ。戦争で鬼であっても、帰国したら普通の父親になれるんや。
おかんは16歳の時、大阪の西淀川の日本油脂の佃工場で働いていた。空襲があって、千船大橋を渡っていたとき、アメリカの戦闘機に狙い撃ちされた。けど助かった。
16歳の少女をしつこく狙い撃ちにする空軍兵て、どんな鬼畜や。それでも戦争が終わって帰国したら、普通のパパやってるんやろな。
納得できない。
まだ読んでないが、そんなことを思い出させてくれた。
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