2024年7月3日水曜日

十字軍物語 塩野七生 新潮文庫

あっち読みこっち読みした記憶がある。このたび兄貴がどーんとひとそろえ送ってくれたので、はじめから読みだした。

前々から西地中海の文化史をレビューしたいと思っていた。我輩なりにいくつかの主軸があって、ひとつはユダヤ人と西欧人の関わり。もうひとつは12音階。

「12音階」にいろんなキーワードをくっつけてググっても、欲しい情報が出てこない。ほとんどはピタゴラスがどーのこーのという理屈の話。音楽史の世界はそもそも12音階が出発点で、せいぜい純正律と平均律の違いとか。みんなそんなもんだと思っていて、誰も深く考えていない。

物理的な理屈から考えても、おかしいやん。弦を弾くと、真ん中が振動しないポイントになる場合もあれば、振動しないポイントが2つできる場合もある。オクターブを2分割して、それを2分割して、それを3分割したら12音階のできあがり。じゃあ、2分割して2分割して2分割したら、8分割。はじめっから3分割して、それを3分割したら・・・9分割。12音階と8音階と9音階を混在させて、気持ちいいスケールにしたら、地中海沿岸のセタールとかタンブールのフレット構成になる。

理屈上でいろんな可能性があって、じっさいに地中海の西とか南でそういう楽器があったのに、西欧ではなんで12音階が選ばれたのか。それのみならず、ウードにフレットをつけてリュートにしたり、かなり強引に12音階をおしつけてきた。平均律なんて、きれいに響かない和音が多いのに。かろうじて追放されなかったのはバイオリン属だけで、なんでバイオリン属だけがフレットレス楽器として西欧で生き残ったのかは、わからん。

我輩の仮説は、12音階を推進する政治的意図があったから。西欧全体でそれを推進できる力をもっていたのは、カトリック教会しかなかろうて。

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