2022年8月7日日曜日

室町は今日もハードボイルド 日本中世のアナーキーな世界 清水克之 新潮社

たいそう面白かったので一ほぼ気読み

1.室町時代の日本は、まるでいまのアフガニスタンだ。いまのアフガニスタンは、まるで室町時代の日本だ。そう考えると、親近感が湧いてくる。

2. 英語のマザーファッカー、アラビア語のクソマック、中国語の他媽的に該当する日本語の罵り言葉はないと思っていたら、室町時代にあったらしい。それを母開(ははつび)という。それを使ったら、訴訟せざるを得ないとか、訴訟でもその言葉を使ったほうは絶対に不利になるような程度だったとのこと。

3. 浄土真宗は悪人正機説によって、本当の犯罪者、極悪人、武装集団を取り込んでいったという。だから一向一揆が優勢になったのだそうな。我が輩が学生だった頃、浄土真宗の学生団体で歎異抄研究会というのがたいていの大学にあって、まるで軍隊のようで暴力的だったと聞いたことがある。それは歴史と伝統を踏まえていたのだ。納得。念仏系の宗派というのは、「死んだら極楽」という思想、その武闘性、それらはまるでアフガニスタンのタリバンだ。そう考えると、タリバンに親近感が湧くし、アフガニスタンも遠い国ではなく、福井県や石川県くらいの近所に思えてくる。

我が国の鉄道建設技術で、アフガンの山々にトンネルを穿ち、新幹線を通し、それで100年くらい経ったらアフガン人のタリバン的な考えかたにも多少の変化が見られるのだろうか。

それとも、タリバン的な考えかたをもった若い人たちが、その思想や思考や行動様式はそのままで周辺地域に散らばり、同時に周辺地域に住んでいた非宗教的で自由な考えを持つ若い人たちがアフガンに移住し、結果的にコアなところは何も変わらないけれど、タリバンの比率が周辺地域を含めた全体として薄められるというふうになるのだろうか。



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