にわか名古屋ファンになった我輩である。
大東亜戦争のときの名古屋空襲が特筆されていて、なんでそんなボコボコにされたかといつと、航空機をはじめ軍需産業が集中していたから。その歴史が記述され、それが戦後の復興とものづくりで再生し、トヨタがいかに大きな存在になったか、と一連の流れが解説される。
いまパレスチナで進行中の空爆もあって、空襲のあたりは読んでいて辛いものがあった。でも空襲に負けないで復活した名古屋の製造業はすごいと思う。
それと伊奈製陶は長野県の伊那とはなんも関係がなくて、常滑の伊奈家のファミリービジネスが発祥だと知った。常滑はこないだ訪問したばかりなのでこころやすい。「ワテ常滑知ってまんねん」って言えるし。
東亜同文書院と愛知大学の関係もきっちり書かれている。敗戦して東亜同文書院の蔵書や文書がなんで愛知大学だったのかというのが謎だった。しかしこの本で、東亜同文書院の前身だった日清貿易研究所をつくった荒井精が名古屋出身。尾張藩士の家に生まれて中国に渡った軍人と言うのを初めて知った。
ちなみに荒井精という名前をググっても何も出てこない。紙に印刷された本でしか知り得ない知識というのがあるんだ。ネットに載っているのがすべてというわけではなく、すべての知識がネットに載せられてい流わけではない・・・と言うのは意外と意外だ。
いままで、日本における名古屋は中国における上海みたいなもんじゃないか、冠婚に見栄を張る文化は上海よりだよね・・・としか考えてなかった名古屋。その名古屋がこんなに魅力的な土地柄だった。それを知らされただけでも、この本の存在は大きい。
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