小泉さんはディミトリー・トレーニンの著作とか翻訳している人なので、いろんな見方を提示してくれると期待していた。でもこの本を読んだら、単なるプロパガンダ要員だった。残念。ロシア語ができるし、奥さんもロシア人みたいなので期待したのだが、いわばCIAのロシア担当分析官が日本語を話しているようなもんだ。
なんでそうなっちゃったかは知らないが、おそらくワシントンDCとモスクワしか見てないんじゃないか。たとえばイスラマバードの市場で日本人と認識されず、ほぼ犬と同じレベルの扱いを受け、しかたがないので普通のおっさんらの隣の地面に座って、おっさんらとおんなじ目線で風景を見たり、風を感じたりしたりした。そんなめっちゃ楽しい思いをしたことがないのだろう。
それでも時々いいことを言っている。ロシアは資源があるし、技術も人もいるから、引きこもって、そこそこのものはなんでも自分らでできる。だから強い、みたいな。
そう、日本は資源がない。その日本が「西側」だったり、なぜか白人国ばっかりのG7に入っていたりすることが、1980年代生まれの日本人(小泉さん)はどうして当たり前に思えるんだろう?
もうひとつ面白いと思ったのが、対談相手のドイツ人女性の話。ドイツに出稼ぎに来ているモルドバ人ていうのは、泥棒するのが当たり前みたいにモラルがない。モルドバ人はそういうもんだって、ドイツ人は思っていると。
この本の話ではないけれど、それで思い出した。今日翻訳した記事の中でこんなのがあった。EUに難民としてやってきたウクライナ人女性いわく、「ここで掃除婦なんてできません。私たちはアラブ人じゃないんですから。」
ウクライナ戦争が始まってからもう500日くらいになる。パリが燃えているらしいが、マスコミはほとんど報じない。
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