ブックオフで1000円で購入。
新品同然の本を開くと、はらりと落ちたのが「著者謹呈」の栞。謹呈したのに開かれずに古本屋直行なんて気の毒に・・・。
読みはじめて気になったこと。文体が統一されてない。特に、
のである。
となっている。
意味する。
ものである。
だろう。
が多用されているところと、そうでないところが際立っている。
上に列挙したのは、AIが生成した文章の特徴だ。「ワシが舞い降りたった」というブログで毎日せっせとロシア発の英語記事をAIで和訳して掲載している拙者だ。エディターでまっさきに修正するのが上記のAI癖。
物流の歴史なんてタイトルなので、気張ってホモサピエンスの出アフリカから書きはじめてしまったものだから、AI作文で埋めたのかな。東洋経済と共謀したのか、それとも東洋経済の編集者の目が節穴なのか。それはどうでもよろしかろう。
ヨーロッパのところになると、さすが玉木先生のご専門なので、AI文体ではない。文体は気にならなくなったが、内容の雑さが気になる。アルメニア人とセファーディックユダヤ人に言及したのはいいとして、歴史を撫でたような紹介だけで、なんでそうだったのか、それからどうなったのかというのが決定的に欠落している。面白くない。イエズス会に相当数のコンベルソ(セファーディックユダヤ人でカトリックに改宗した人たち)が流入したという仮説もいい感じだが、実証のないまま次に進んでしまう。残念だ。とても。
マイケル・ハドソン先生はイギリスが世界帝国になる上での原資はインドにあったことを明かしたが、この本にそういう知的興奮は期待できない。歴史の教科書を眺めたような眠さが読後感でありました。
ここまで書いて考えた。これは著者に謹呈された人がブッコフに持ち込んだんじゃなくて、著者その人が持ち込んだんじゃないのか。出版社と著者とブッコフの緊密なコンスピラシー。もう一つの出版ビジネスモデルてか。
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