2022年4月6日水曜日

超帝国主義 マイケル・ハドソン

 マイケル・ハドソン先生はスコット・ホートンの反戦ラジオとか、マックス・ブルーメンタールのグレイゾーンとか、ベンジャミン・ノートンのマルチポラリスタとかにゲスト出演していて、親しみやすくてとてもわかりやすい話っぷりでファンになった。

そのハドソン先生が1972年に書いていて、出版社の事情でたなざらしになっていたものにぼちぼち書き加え、なんとその内容がいまのいまになってとても新しくエキサイティング!ということである。

1970年代に徳間書店が翻訳権を取って、しかし政治的理由から出版が止められていた・・・と聞いていた。日本語版がないものだと思って英語版を買って読みはじめたら、そのうち日本語版が出されているのに気づいた。いきがかりじょう今のところ英語版を読んでいるが、そのうち日本語版も手に入れたいと思う。

日本語版の翻訳は広津倫子さん。1947年うまれのこの人は、なんと21冊も翻訳している。すごい仕事量である。いまでこそたとえばDeepLみたいな優秀翻訳ソフトを使って下訳し、それをちゃんとした文脈の日本語にする、というようなまるでさいとうたかをプロダクション的仕事のやりかたであれば、膨大な仕事量をこなすことも可能だろう。しかし我輩より11歳も年上ですよ。そしてファンタジー小説から経済評論までという幅広さ。21冊ぜんぶが徳間書店だから、徳間から頼まれて断れなかったんだろうな。それを考えるとさらに日本語訳を読みたくなる。

内容は、めっちゃおもしろい。興奮する。ロシアと中国の枢軸機構がアメリカのドル基軸通貨体制をぶっこわそうとしているいま、なぜドルが基軸通貨になったのかをさかのぼって学ぶことは決して無駄ではない。

マイケル・ハドソン先生いわく、よく売れるなと思ったら財務省の訓練マニュアルになっていたとのこと。先生独特のユーモアのセンスが光っている。



0 件のコメント:

コメントを投稿