2025年4月19日土曜日

音律と音階の科学 小方厚 ブルーバックス

23版も出てている。楽譜で書いてあるので読み飛ばしたら1時間で読み終わった。何が書いてあるかだいたいわかったけれど、あんまりおもしろくなかった。アラブ音楽のマカームを近代的な観点からわかるかなと期待したのだが、マカームの情報はほとんどなかった。

2025年4月15日火曜日

フェルメールとオランダ黄金時代 中野京子

山田五郎の大人の教養たらいう番組をようつべで見てたら中野京子さんが出てはった。話の中身がおもろかったので、本を買った。ブッコフで頼んだら、新品みたいなんが半額で手に入った。

本の中身もおもろかったが、ちょっとオランダ褒めすぎちゃうかと思た。オランダてインドネシアを350年くらい植民地にしてた。メシマズで世界的に有名なイギリスが支配してたマレーシアも香港も、現地の食文化は残ってて、ぜんぜんメシマズではない。でもオランダが支配したインドネシアは、ほんらい豊かなはずなのに、ナシゴーレンとミーゴーレンとイカンバカールくらいしかバリエーションがない。どんなけオランダの搾取が酷薄やってん?ゆう話ですわ。

バリにはププタンという話が残ってる。無抵抗不服従の王族をオランダ軍が全員虐殺したという逸話。 ププットというのは動詞で「終わらせる、終わる」みたいな意味らしい。それの名詞形でププタン。あまりの悪逆非道に、オランダ軍兵士で発狂する人もいたらしい。

最近になってようやく、ヨーロッパの二重基準みたいなのが話題になってる。この人らの、異教徒とか有色人種に対する扱い方というのがいかにひどいか。 インドネシアで3年くらい住んで働いたのでそういう視点を獲得できた。

この本の終わりのほうに、デ・ウィット兄弟の亡骸という絵の話が出てくる。有力者だった兄弟が権力闘争に負けて、裸で内臓を抜かれて耳鼻を削がれて去勢されて屋外に吊るされてる絵と、その敬意の話。これには宗教も絡んでいたそうだ。マリフアナOK、売買春もOK、宗教も寛容、チューリップと風車、イーデス・ハンソンさんの故郷、悲しき鉄道員、ダッチワイフ?みたいなイメージだが、 エグい側面も記述した中野さん、えらい。

2025年4月11日金曜日

あさみの歌とギョクセル・バクタギルの名曲Garip

毎日夕方6時になると、下諏訪町にオルゴールの「あざみの歌」が鳴る。下諏訪町はその昔、オルゴール生産で有名だった。同じ歌を、小唄とか長くやっていた人が三味線で弾いたら、ちがった感じになったんではないかな。
平均音律っぽい楽器でこういう曲を演奏されると、もの哀しいを通り越して、ドーンと悲しくなる。平均律とか12音階は、メジャーはめちゃめちゃアップで、まるでコカインを摂取したギャングのようだ。(拙者は摂取したことがないが。)そしてマイナーは、まるでヘロインを摂取したミュージシャンのようにダウンだ。(拙者は摂取したことがないが。)
伝統音楽の微分音は、そのへんをマイルドにしてくれると思う。
例えば、ギョクセル・バクタギルの名曲Garip
これをフレッテッドギターとか、ふつうのキーボードで演奏しようとすると、うまくいかない。なんでかというと微分音が使われているから。
拙者がこの曲をコントラバスでコピーしていると、「あれれ、ここまでズレるんですか?」というくらい、指板のポジションマークから乖離している。じつに楽しい。


2025年4月10日木曜日

31平均律ギターを作った人たち

https://note.com/harai_tama/n/n7c2f7102eb5d
このシリーズを読むと、31平均律というのがなんだかわかったような気になる。おもしろい。けれど、この人の音楽じたいはぜんぜんおもしろくない。貼ってあったリンクのうち、ファンクをやってるこの人がいちばん面白かった。
https://www.youtube.com/@rafaellazo3143
そして関連で出てきたトルコ人。アラ・ディンクジャンの名曲を、変わったギターで美しく演奏してる。
https://www.youtube.com/watch?v=ngitTonc-sk
トルコ人のミュージシャンだからウード(フレットレス)を当然のように弾けるはずだが、なんでわざわざこんな変わったギターを作ったのか。
何世代にもわたって微分音楽を聴いてきた地中海人なら、頭の中で鳴っている音をフレットレスのウードで弾けると思う。31平均律とか、この変わったギターを作るのはたぶん、その楽器で新しい音楽を作りたいんじゃないかな。

マーク・ノーサムというピアニスト

https://www.youtube.com/watch?v=tN0FFld1pj4
この人のピアノをはじめて聴いたのは、チャンドラーの「さらば愛しき女」の映画のテーマ。これ以外にもいろんな映画のテーマをソロピアノで演奏している。シンプルで、とてもいい。

https://www.youtube.com/watch?v=-L-5Xp5n1Bo&list=PLy2NIhyZpBvXo_utcxtJQY-JKbbD2lU-M

 

2025年4月2日水曜日

教養としての建築 かんき出版

「建築とは期待はずれである」「建築とは間違いだらけである」「建築とはテキトーである」など、前半は常識とか思い込みを覆す内容が続く。おもしろい。後半は建築の希望的側面について書いてある。繊維入りコンクリートの可能性とか。これも楽しい。集合材の話がないのは、それが使われた大規模な建物がまだないからかもしれない。

そこそこ生きていると、建築士とか、構造計算をやってきた人とか、いろんな知り合いができる。それぞれの専門がこんなふうだったのかというのを知ったのは、この本を読んでからだ。 

読み終わってから、マリオ・サルバドリ先生の「なんで建物は崩壊するのか」を思い出した。我輩が読んだのは英語の本。平易な英語で、素人にもわかりやすく書いてあった。そっちもおもしろい。「建物が壊れるわけ 構造の崩壊」という邦題で日本語訳も出ている。いま簡単に手に入るかどうかわからない。

ついでながら、サルバドリ先生は「なんで建物はたっているのか」というタイトルの姉妹本もある。こっちも買って読んだような気がするが、とりあえず見つからない。

サルバドリ先生の本は、マンハッタンの建築専門の本屋さんで見つけた。たしかマディソン街のミッドタウンにあったような気がする。ニューヨークはそういう面で、いいところもあったなあ、と懐かしく思う。

 



 

2025年3月27日木曜日

キャミール・エルデムというトルコのミュージシャン

Odd Tango

https://www.youtube.com/playlist?list=OLAK5uy_knEdn9kc1O50FPcwiuxmnW95vNRsdEkJY

ガットギターが上手で、ベースならフレットレスもフレッテドもうまい。縦ベースは弾いてないようなので、ギターとベースを行ったり来たりしている人みたいだ。グレッグ・レイクもそうだった。爺さんだと思っていたら、1959年生まれ。我輩より1歳若いじゃないか。我輩も他人様から爺さんと思われていたのか。

ベースがメインのアルバムも出している。A Tale of bassという。ベーシストのソロはだいたい聴いていて辛い。ジョン・パティトゥッチ先生もそうだし、ルーファス・リード先生の多重録音もそうだ。内儀はベースのソロを「ベンベンゆっててよくわからない」という。客観的にその通りだ。弾いてるほうは楽しいんだけど。だから、ベーシストのソロアルバムはだいたい聴いていて辛い。

しかしエルデムさんのソロアルバムは、聴いていて楽しい。純粋にソロだけではないが、明るい楽曲が多い。エルデムさんの音楽は明るい。表題のアルバムもそうだ。ジャズみたいで、よく聞くとパーカッションはダラブッカだし、弦楽器はウードだ。他のアルバムで木管が入っているのは、さすがにネイ(斜め笛)ではなくフルートの音だが。

ウードはギターに比べて、音域が低いところが魅力的に響く。トルコ音楽のボーカルも、西欧みたいに高音域で歌っていないのが多い。ホテル・カリフォルニアみたいに、普通の人は真似できないようなボーカル音域の曲はあんまりない。すごく人間的に、快適に聞こえる。ウードもギターに比べて、しっとり響く。あんまり疲れないで、気楽で楽しい。