2025年10月19日日曜日

丹羽宇一郎 戦争の大問題 東洋経済

 2017年に出た本なので、2025年10月の今日と国際情勢がかなり異なっている。著者は在中国大使を経験した人で、中国に関する話が興味深く、説得力がある。現在の伊藤忠商事のトップはいかにも武闘派の人っぽいが、こんな上品な人もいるんだ。商社でも、いろんなタイプの人がいる。

著者が靖国神社を訪れたというくだりが、とても面白い。要するに、合祀たら分祀たらいう問題は、国家が戦争責任をはっきりさせるかさせないかということだったんだ。そいで、歴代の自民党の総理大臣たちは、それをはっきりさせないまま参拝して、アジア各国の反感を煽っている。その経緯をすっきり書いてあるのを読んだのはこの本が初めてだった。 

アホな戦争をなんで始めてしまうのかとか、アホな戦争をなんで終わらせられないのかという問題を、企業経営に例えていて、とてもよくわかるし、説得力がある。直近の情勢では、やぶれかぶれのウクライナが、やはりこちらもやぶれかぶれのイギリスのMI6と組んで、トルコパイプラインまで破壊しようとしているそうな。ウクライナは負け確定なので、おそらくハンガリーでのプーチン・トランプ会談に向けて、ロシアの主張に沿う形で手打ちが調整されると思う。負け馬ウクライナに閣議決定で税金をつぎ込んだ岸田政権の責任はどうするんだろう?

トランプの取り巻きがいろんなことを言っているが、みんな優秀なようでいて、だいたいがファイナンスの出身の人たち。ドイツに至っては、大統領がブラックロック、つまりファイナンス出身者。西側には、川上とか川下とか全然理解できない人ばっかりが要人ポストについている。これではまともな判断ができそうにない。どうりですべてが泥縄式の対応で、国家戦略の体を成していない。人材不足が明らかだ。

我が国もぜんぜん、偉そうなことは言えない。我輩が公立大学に入学した頃、年間の学費は1万8000円だった。それが年毎に倍増して、あっという間に数十万円になった。つまり、日本政府が新自由主義に染まって、国家が人材育成に使うカネをケチりはじめたのがだいたい1977年ごろと考えると、それから50年。日本はこんな惨めな国家になってしまった。一方の中国は、1986年から下の記事にあるようなプログラムを発足させて、40年間で成果を出している。中国の国立の高等教育機関は授業料がほぼ無料なので、優秀な学生たちの国家に対する忠誠心が、我が国とは全然違う。母集団が桁違いなので、優秀な人材の人数も桁違い。これで中国脅威論を煽って、どうするつもりなのかな?やすい天然ガスや石油を融通してくれるロシアを敵視して、ウクライナに肩入れして、ほんま日本の国家ってアホかいな。

ゼロヘッジにこんな記事が出てたので、AIに関西弁にしてもらった。

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https://www.zerohedge.com/geopolitical/most-humbling-thing-ive-ever-seen-western-business-leaders-terrified-after-touring

「人生で一番ヘコんだわ」:欧米ビジネスリーダーら、中国工場見学後に「恐れおののく」
2025年10月15日(水)- 午前7時00分

フォードCEOが中国の技術力に仰天
フォード・モーター・カンパニーのジム・ファーリーCEOを始めとするトップの経営者らが、中国の驚異的な技術の進歩に「恐れおののいとる」っちゅう、衝撃的なレポートが『ザ・テレグラフ』から出たで。彼らは、「このままやと、あのアジアの大国のイノベーションにアメリカの企業は潰されてまうかもしれへんから、早よ動かなアカン」って警告しとるんや。

ファーリーCEOは、中国の工場を見学した後、そこのクルマに詰まっとる最先端の技術?自動運転ソフトや顔認証システムなんかに?ショックを受けたらしい。「あそこ(中国)のクルマのコストと品質は、俺が西側で見るもんよりはるかに優れとる」って、ファーリーCEOは『ザ・テレグラフ』に警告したんやて。

「暗闇工場」とロボットの猛威
中国は、アメリカの自動車会社だけやのうて、色んな分野で抜きん出とるらしいわ。

イギリスのエネルギー供給会社オクトパスのトップ、グレッグ・ジャクソンは、人間がほとんどおらんのに携帯電話を大量生産しとる「暗闇工場(ダークファクトリー)」を見学して、開いた口が塞がらへんかったそうや。ジャクソンはんは「天文学的な数の携帯電話を作っとる暗闇工場に行ったんや」って言うとった。

「製造ラインには作業員がおらんくらい自動化が進んどって、おるのは設備のチェックをする少人数だけやった。中国の競争力は、政府の補助金や安い賃金から、ものすごい数の高度なスキルを持った教育を受けたエンジニアが狂ったようにイノベーションしとる方に変わってもうた、っちゅうのを肌で感じたわ」

人間ゼロの工場からトラックが…
オーストラリアの鉱山王、アンドリュー・フォレストはんも、中国の支配力を目の当たりにして、電気自動車のパワートレインを作る計画を取りやめたそうや。「我々は中国とグローバルな競争をしとる。EVだけやないで。もしこれに負けたら、フォードに未来はない」って『ザ・テレグラフ』に言うとる。

フォレストはんは、ロボットが床から出てきて、人間の手なしにトラックを組み立てとる未来的な工場について語っとる。「今でも(中国には)、デカいコンベヤーの横を歩いたら、機械が床から出てきて部品を組み立て始める工場がある。そのコンベヤーの横を800メートル、900メートルくらい歩いたら、トラックが一台、そのまま運転して出てくるんや。人間は一人もおらん?全部ロボットや」

ロボティクス市場の爆発的成長
ヒューマノイド(人型)ロボット市場は、サプライチェーンやメンテナンス、サポートネットワークに支えられて、2050年には5兆ドル(約750兆円)規模の産業に爆発的に拡大するかもしれへんそうや。モルガン・スタンレーのアナリストらは、2030年代後半に一気に導入が進むと予測しとる。2050年までには10億体以上のヒューマノイドが使われとって、その90%が産業用や商業用の役割を担うっちゅう話や。

初期のOpenAI出資者であるベンチャーキャピタリストのヴィノッド・コースラは、2?3年以内にChatGPTみたいなロボットのブレークスルーが起こって、野菜を切ったり皿を洗ったりできるロボットが登場すると予測しとる。

中国のUnitreeは、すでに四足歩行ロボット市場の世界シェア60%を占めとって、アメリカのボストン・ダイナミクスなんかが必死に追いつこうとしとる状況や。せやけど、希望の光もあるで。テスラが開発中のヒューマノイドロボットが、これから数年で、中国のロボティクス巨大勢力に対して、アメリカの消費者に戦うチャンスを与えてくれるかもしれへん、っちゅう話や。

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欧州でもどこでも保守回帰と言われていて、マスコミが「極右」と呼ぶような政党が支持を集め、欧州でそんな政党が非合法化されたり、選挙から排斥されている。新自由主義はアホな指導層しか生み出さず、それがどこでも行き詰まっている。グローバリストたちがロシアや中国やイランを敵視して、戦争を仕掛けている流れもなんとなく腑に落ちる。ちなみに、イランも国立の高等教育機関は授業料が無料だ。新自由主義のグローバリストが敵視する国々は、たいてい高等教育が無料だったりする。

中国についての下の記事は原文が英語なので、AIに頼んで関西弁に変換しておいた。 

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https://www.unz.com/bhua/how-beijing-used-state-planning-to-build-a-scientific-powerhouse/

北京が国家計画で科学大国を築いた方法
構造分析:40年かけた基礎研究と人材育成プログラム
中国が今日、他の国よりも多くのSTEM卒業生を輩出し、インパクトのデカい研究論文を発表し、特許を申請しとるのを見たら、みんなが驚くやろ。けど、どうやってこんなことになったんか、理解しとる人は少ない。

小平の改革以来に立ち上げられた、あんまり知られとらん秘密のプログラムの根っこを探ってみるで。「Made in China 2025」や「一帯一路」と違ごて、国外ではほとんど知られとらんけど、その影響はめちゃくちゃ深いわ。

プログラム 863:ハイテク開発計画
いつ:1986年3月(86/3)に始まったからこの名前や。

目的:超大国の競争の中で、技術的な独立を達成することやった。

背景:レーガン大統領のSDI(戦略防衛構想)に触発されて、四人のトップ科学者が小平に手紙を出し、二日後に承認された。

内容:宇宙、情報技術、レーザー、バイオなど九つの主要分野に重点を置き、国家予算の5%にあたる100億元が投じられた。神舟宇宙船や天河スパコンなどが直接、このプログラムから生まれたんや。

プログラム 973:国家基礎研究プログラム
いつ:1997年3月に開始された基礎研究の目玉プロジェクトや。

目的:科学技術の戦略的優位性を得ること、特に「レアアース」鉱物産業の発展が含まれとった。

目標:経済発展、資源安全保障、技術独立っちゅう国家の優先事項に革新を合わせる。「科学教育で国を復興させる」っちゅう戦略を支えたんや。

重点:すぐに金になる商業的な応用やのうて、応用科学の土台になる「基礎研究」を育成することに集中しとった。農業、健康、情報、エネルギー、環境、そして資源(レアアースの抽出と加工を含む)に資金が回され、中国が世界の科学競争力の差を詰めるのにめちゃくちゃ役立ったんや。

プロジェクト 211 / プロジェクト 985:頭脳の育成
アメリカの優秀な人材が金融に流れる中、中国は計画的に人材を育てることに集中したんや。

プロジェクト 211(1995年):21世紀に向けて、国内の約3,200校の大学の中から100校ほどの重点大学を強化し、世界水準に引き上げるのが目的やった。

プロジェクト 985(1998年):さらに選りすぐりのトップ大学(最初は9校、最終的に39校)を「世界に通用する」機関に発展させるために、江沢民主席の肝いりで始まった最高峰のプログラムや。

これらの大学には莫大な資金が投じられ、優秀な教員や研究設備が集められた。今や北京、清華などの大学は、工学、AI、航空宇宙などで世界をリードしとる。中国の指導者層の多くが清華大学の工学部の卒業生やっちゅう事実も、この戦略の深さを示しとるな。

結論:

863、973が研究テーマに資金を供給し、211、985が研究の土台となる「施設と人材」を提供しとった。この「国家ぐるみの連携」こそが、中国を科学技術の川上へと押し上げたんや。

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