2024年8月18日日曜日

ムニール・バシール マカマート

https://www.youtube.com/watch?v=Y-1VVtZnO_0

ムニール・バシールはウードの演奏家。バグダッド流派の巨匠と言われています。世界にとってラッキーだったのは、30代でハンガリーに移住したこと。ドイツとかヨーロッパのあちこちでいい録音を残してくれました。1997年没。

アートをBGMにするのは失礼だけれど、入門コースとしてはそれしかない。何度も聴いていると、曲の違いや、そのうちにスケールの違いが聞き取れるようになる・・かな?

ウードは音域が低いので、聴いていて耳障りになりません。逆にウードなど環地中海音楽から西欧音楽に切り替えると、うわっ、なんとキーの高いこと。刺激的すぎて疲れてしまいます。

諏訪郡原村の別荘地に、チューニングキーの低いピアノがあります。お邪魔して演奏を聴いたり、ピアノに触らせてもらったことがあります。オーナーによると、西欧音楽ではキーがだんだん高くなった歴史があって、ついに現在のA=440Hzになってしまったそうな。

ピアノが誕生したのは1709年。赤穂浪士討ち入りの5年後。日本ではちょんまげ時代。そのころはA=415Hzだったと言われています。低いチューニングで演奏していたので、いわゆるクラシック音楽はいま聴くよりまったりしていたんじゃないか・・・というような話を原村で聞きました。おそらくナカムラクニコさんがきた時だったか。

フェースブックにFans of A=432Hz Modern Pianoというのがあります。うむ。かなりスピリチュアルな世界の人だ。

チューニングを上げることができたのは、がっしりした鉄枠に高張力鋼線を何十本も張るというテクノロジーがあってこそ。逆にもっとチューニングを下げれば、ピアノはもう少し軽く、ヤマハのCP88くらいになるのかな。あるいはフェンダーローズとか。A=440Hzを432Hzにすると、張力が30%弛むそうです。

https://ameblo.jp/otokobopiano/entry-12588129752.html

ピッチを変えるという面倒なことをするより、キーを変えたらええんじゃないかと思うのだが、クラシックの世界でキーを変えるというのはタブーみたいです。曲名が変わっちゃうから?

ピアノはともかく、音域が低いまま現代に至り、音楽の最前線で活躍しているウード。ウードに西洋人がフレットをつけたリュートは「古楽器」になってしまったのに、ウードはばりばりの現役です。それに伴い、トルコなんかのボーカルの音域も低めです。「ホテル・カリフォルニア」とか「ダンシング・オールナイト」みたいに、普通の人が歌えないような音域の曲はあんまりない。

バンドをしていた人なら、ボーカルがモゴモゴゆってて前に出てこないじゃん、というかもしれない。ま、音楽の楽しみかたは人それぞれ。

佐久の5月の音楽祭で、たっちゃんがギターで参加したバンドのボーカルは80歳近いおばあちゃん。ソウルフルでファンキーなボーカルを聞かせてくれました。本人によると、年々キーが下がってきたそうな。もうジャニス・ジョプリンは歌わないそうです。

「キー下げたらジャニスじゃなくなっちゃうよね。」

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