2021年7月4日日曜日

ウイグル族

 バイデン政権が旗をふって中国政府によるウイグル族弾圧を糾弾しましょ、という流れになっている2021年7月上旬の状況である。我輩の考えていることを備忘録として記しておく。

日本にはウイグル族が2000人くらい住んでいるらしく、なかには帰化している人もいる。そんな人たちが、ウイグルの親族と連絡が取れないとか、中国公安に監視されているというのは事実なのだろう。中国政府はそんなことをウイグル人とか少数民族に対してだけやっているわけではなく、香港とか台湾の民主主義人士にも同じようなことをやっていると思う。そんななかで、ウイグルだけ取り上げて云々するのは西欧の内政事情によるものだと思う。

だいいちジェノサイドっていうのなら、アメリカが応援しているサウジによる経済封鎖で餓死に瀕しているイエメン人はどうなるのだ?国連関連機関ですら「数百人の子供が餓死に瀕している」といっているのだから。

それについて言及しておくと、国連の安保理事会かなんかのボンクラはイエメンに対し「無条件降伏」を提示したままらしい。戦況はイエメンのフーシに有利に展開しているので、勝っているほうに無条件降伏を提示するという無能さだ。これはもちろんアメリカ政府がメンツを保持するためにボンクラを動かしたのである。どの口でジェノサイドだ?ということだ。

もっとも中国の外交は内政(のインスタントな反映)であるという名言もあって、中国も欧米も同じ穴のむじなということができる。

ウイグル族はトルコにも2万人くらい逃げて暮らしているらしく、さいきんのトルコがチャイナマネーの影響でウイグル族を捨てるんじゃないかと危惧されている。トルコだけじゃなくて我が国政府もチャイナマネーに弱いのは同じなので、ここにも同じ穴のむじながいるわけだ。

中国政府に虐待された人の中には中国国籍でもウイグル人でもない人たちがいて、カザフスタンの人がホタンかどっかに商品の買い付けをしに来ていて拘束され、拷問されたと言っていた。強制堕胎も見たらしい。

香港でもイギリスの大学とかアメリカ政府に資金をもらって活動している民主人士もいるし、例の「ウイグルの母」もCIAの支払い先リストに載っているという話もある。ウイグル自治区はレアメタルが豊富なので中国は手放したくないはずという話がある。しかしレアメタルの上に暮らしている人々を強制収容所にほうりこんで(2000万人のウイグル人のうち労働人口の数百万人を拘束するか?)強制労働させるというのも非現実的で、それよりもその人たちにレアメタルを掘らせて給料を支払って生活水準を向上させたほうがいいに決まっている。

我輩の意見の根拠をざっくりまとめると、ひとりっこ政策時代の中国でも優遇されていた少数民族が、いろんな意味で漢人なみの扱いを受けるようになった。(ひとりっこ政策については漢人が少数民族なみに解禁された。)それは西欧から比べたらレベルは違うかもしれないけれど、それプラス共産主義ゆえのきびしい宗教事情(チベットに対しても同様だけれど西欧はなぜかチベットのことをあげない)なんかも加わって、いままでゆったりまったりとやってきた少数民族優遇策とイスラム宥和策をやめて、漢人なみにきりきり働けよ、というふうになった。だいたい漢人向けのひとりっこ政策をやめるくらい人口年齢構成がやばくなってきたのだから、ウイグル族(でもチベット族でも)だからといって労働人口の何十パーセントを強制収容所にいれるなんてありえないじゃないか?

ウイグル族は、われわれは漢人ではない!と言いたいのだと思う。それはそのとおりで、でも中国はレアメタルの眠るウイグル自治区を手放さないだろう。CIAなんかがちょっかいを出さないところなら、なんとか折り合いをつけるようになるんじゃなかろうか。


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