2026年8月16日日曜日

ナンシー関 耳大全77(朝日文庫) 何様のつもり(角川文庫)

ナンシー関は2002年、39歳で死んだ。消しゴム彫刻家。彼女の消しゴム版画と、それにつけられたメディア批評が何冊かの本になっている。

こないだ信毎新聞の書評欄を見ていたら、耳大全77のことが書いてあった。それでナンシー関のことを思い出した。

ナンシー関が活躍した90年代から2000年前後、テレビを中心にしたお茶の間とかいう空間が、日本の家庭にまだあった。ジャニーズがテレビ業界を席巻していて、吉本がそのステータスに追いつこうとしていた時代。芸能レポーターという業界があったころ。

2019年ごろ吉本の闇営業とやらが話題になって、数年後の2023年ごろにジャニーズの凋落が始まった。フジテレビから大量のスポンサーが撤退したのが2025年。関直美が死んでからほぼ20年、テレビ業界も死んだ。いまはゾンビ状態といっていい。

ことし68歳になる我が輩の世代はおろか、10歳上の団塊の世代ですらテレビはあんまり見ていないと思う。ということは、テレビの主要視聴者層は80代後半から90代。そりゃ死ぬわ。爺婆が死んだら、銀行口座が閉鎖されて、NHKが視聴料を自動引き落としできなくなる。たまにやってくるのは通知はがきだけ。調べれば調べるほど、NHKは視聴契約者が死亡するという事態を想定していないのがわかる。うっとうしいので、遺族はテレビを、たとえば岡谷の林金属工業に引き取ってもらって、引き取り証をNHKに送る。それでおしまい。すっきり。

テレビがなくなって寂しいとか不便とか、そういうのではなくて、テレビはうっとおしい存在。NHKとか制作側はそれをぜんぜんわかってなくって、いまだに放送する側が特権階級だという意識のまんま、連続テレビ小説とか大河ドラマとか紅白歌合戦をつくって流す。

それで食ってるはずなのに、危機感なさそうだ。

 






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